第八番普明山 熊谷寺 真光院

 熊谷寺(くまだにじ)は阿讃山脈のふもとにあり、本堂は石段を上っていった山の中腹にあります。一番下にある仁王門は300年以上も前に建造されたもので県の文化財に指定されています。駐車場から上っていくと上の写真のように美しい中門があり本堂へとつながっております。

 このお寺の由縁は、弘仁6年(815)に弘法大師が熊谷山の閼伽ヶ谷で修行していたとき熊野権現が姿を現し、大師に一寸八分(5.5センチ)の金の観音像を授けました。大師はここに一堂を建立してその観音像を安置し、第八番の札所として定められたといいます。

 左の写真は美しい多宝塔で中門の手前にあります。
 この寺も昭和2年の火事で本堂は全焼してしまいました。現在の本堂は昭和47年に再建されたものです。

 本堂の左手にはさらに高いところに大師堂があり、この中には室町時代に作られた弘法大師像が火災を免れ残っています。この像は徳島県内で2番目に古いものでこの寺の大切な宝となっています。

 この大師堂付近からは南の吉野川流域の平野が見渡せ、絶景となっています。大師堂からの石段の中腹右手には大きくて立派な大師像がたてられています。

 静寂な山の中にあるこの寺に居るとしばし時を忘れてしまいそうになります。