第二番日照山 極楽寺 無量寿院

 霊山寺を出て、西に1.4kmほど行くと右手に朱塗りの立派な仁王門が見えてきます。ここは正確には鳴門市大麻町で板野町との境の近くになります。この寺も行基の開基で、弘法大師が弘仁年間に21日間の修行をしたと言われています。本堂は49段の石段の上にあり、国の重要文化財である本尊の阿弥陀如来像が安置されています。天正、明治の二度の火災で堂塔の大半を失いました。
 本堂下には弘法大師お手植えと言われる長命杉がそびえ立っており、現在の杉は植え継がれて何代目かになるとのことですが、この老樹にはしめ縄が巻かれ、この木に触れれば長生きができるとされています。また、庫裏の前には白砂を敷き詰めた美しい庭があり、霊山寺とはうって変わった静かなたたずまいは時を忘れてしまいそうになります。

 大師堂は安産大師とも呼ばれ、安産祈願の寺としても有名です。
 歩き遍路をする人は、霊山寺で緊張した面もちで巡礼用品を身につけ、気落ちを引き締めてこの二番札所に向かうのですが、この1キロ余りの道のりは、およそ「遍路道」とはほど遠いアスファルトの道を、トラックやマイカーの排気ガスにさらされて歩かねばならず、少なからず歩き遍路をする人は「しまった!来るんじゃなかった。」と後悔するらしいのです。これがこれから始まる苦行の始まりなのでしょう。

 朱塗りの仁王門近くにある願掛け地蔵は一名「水かけ地蔵」とも呼ばれ、霊験あらたかで知られているとのことです。